室生寺
闇と光の十二神将を描く
小林 彬個展「闇と光の十二神将」
平成26年4月1日(火)〜4月18日(金) 18日間
開催時間:9:00~16:00
室生寺 慶雲殿にて開催
室生寺で初めて開催される小林 彬個展
十二神将とは
金堂は元々 薬師堂と呼ばれ薬師如来様に対する信仰の念から建立されたもののようであるが、江戸時代に室生寺が、真言宗の寺になってから 金堂とされたらしい。
医療が未発達の古代にあって、病人を救うという仏の功徳に帰依する人々は多かったであろう。
しかし、室生寺金堂には、五体の仏像の中央に234.8cmと大きい釈迦如来立像が(国宝)本尊として、威風堂々と周りを圧するように立たれている。
薬師如来は本来 左の掌に薬壺をのせる。この釈迦如来像の印相は左手を下におろしてられるので薬師如来ではない、と思うが、中世から近世にかけては釈迦如来は、薬師如来とされていたらしい。
この釈迦如来像の前に、12体の十二神将が並び、礼堂のかえる股には薬壺が彫られていることから、やはり薬師堂として建立されたのであろう。
室生寺の十二神将像は、木造で1m前後と小さいが、懸命に大きい薬師如来を守護するぞと暴れている感じが愉快である。
東西南北の四方を、24時間守るという意味に、中国の方位の考え方が加わって、それぞれに守護神がいる。
像の頭には、十二支の干支が彫られている。
金堂は、平安時代前期に建立され、本尊である釈迦如来像は堂宇に続いて安置されたようだが、本尊の横の薬師如来像と地蔵菩薩像は、後の時代に他の寺から持ち込まれたらしいといわれる。十二神将像は鎌倉時代の作とされている。
始め、時の皇太子の病気快癒を祈願して建てられた山深い寺の中で、仏像の移動をさせていた古代の人々の思惑を想像するだけで、人間らしさを感じてしまう。
金堂の十二神将は薬師如来の眷属
